インターネットは逆転したなぁ
いまやもうネットではモテないほうがマジョリティでクリスマスは皮肉ばかりなので、クリスマスは彼女ととっておきのレストランでデートでイエー!みたいな話が読みたい。
— 林 雄司 (@yaginome) 2015年12月8日
1990年代のネット黎明期から活躍されている林雄司さんがこのように書かれていて、共感しました。
私は2003年から2011年にかけて、クリスマスを女1人で過ごす様子を記事にしてきました。03年当時は「女が1人でクリスマスを過ごす様子を記事にする」ことそのものが珍しかった記憶があります。
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当時のインターネットは、社会のはじっこにあって、「クリスマスは1人」であることがしっかり自虐的でしたし、1人のクリスマスを過ごす日は、恋人や家族と過ごせる人を羨ましく思っていました。
でも、今のインターネットでは「1人のクリスマス」が多数派で、恋人や家族と過ごすとは言いにくくなった。何だかこの10年で、逆転した気がします。
ちょっと毛色は違いますが、「ネットで人生、変わりましたか?」という言葉の意味も、180度変わったなぁと思いました。
「ネットで人生、変わりましたか?」は、わたしの著書のタイトルで、2003年~06年ごろに、ITmediaで書いたインタビュー記事をまとめたものです。
ネットがきっかけで出会ったり、仕事を得たり、夢を実現した人を描いていました。ネットで人生が素敵なほうに変わった人を、描いていました。
当時は、インターネットが人生に深くに関わってくるということ自体が珍しくて、ネットと人生を結びつけたこのタイトルは、手前味噌ですが、新しい価値観を提示していたように思います。
10年経った今となっては、誰もがネットを当たり前に使っていて、人生の一部に最初からネットが組み込まれているので、「ネットで人生、変わりましたか?」は、そもそも問いとして成り立たない。
今あえて「ネットで人生、変わりましたか?」って問う時は、ネットで人生が良い方に変わった人ではなくて、むしろ、ネットで炎上して人生終わった人を連想するように思いました。
たった10年で、逆転してしまったなぁ、と。